2月9日(金)エスケシュ×ジョナサン・ストックハンマー&フランス放送フィル

こちらの演奏会を聴きに。 
La Barque solaire - Vendredi 09 Février 2018 - 20h00 Maison de la radio - Auditorium de Radio France

ラジオフランスでは毎年2月に、現在進行形で活躍する作曲家を特集するフェスティバルが行われているとのこと。その今年の作曲家が、ティエリー・エスケシュ氏なのだそうです。

ティエリー・エスケシュ氏は作曲家でありオルガン奏者。彼の作品は室内楽からオーケストラまで、さまざまな分野に及びます。この日は同じく作曲家でありオルガン奏者であったメシアンの作品を一緒に楽しめるプログラムです。
演奏はフランス放送フィルで、指揮はジョナサン・ストックハンマー氏。


ティエリー・エスケシュ:オーケストラのための詩編
ジャン=フレデリク・ヌーブルジェ:ピアノ協奏曲。
ティエリー・エスケシュ:オルガンとオーケストラのための太陽の船
オリヴィエ・メシアン:クロノクロミー


オーケストラのための詩編、出だしのフルートからとても幻想的でした。
現代曲のひとつの聴きどころとして、コントラストがあると思うのですが、この曲は精神的な対比が面白いと思いました。
精神的な対比は、静かな場面から唐突に激しい場面に切り替わることによって描かれたり、無調性感の中から突然現れる調性感によって作られたり。そういう対比によって、かんたんに感情を操られそうでした。静かな場所から突き落すような、救われない場所から救われる場所に連れて行くような。音楽が持つ宗教的な効果を余すことなく使った感じ、すごいです。

ヌーブルジェ氏のピアノ協奏曲、作曲者自身の独奏によって演奏されました。
出だしから何が起こっているんだ!と思わされるやつです。弦のハーモニクスとビブラフォンの弓奏法(?)で、キーン…という音をだしているのですが、それが、聴いていてとてもつめたい。こういう、体の感覚に直接作用する音を、あえて楽器で出して音楽に組み込む…とでもいうような、色々な効果がちりばめられた曲でした。
ビブラフォンの使い方がすごくて、ピアノとビブラフォンの合わせ方も、とてもかっこよかったです…。

休憩明けの「太陽の船」、こちらも作曲者のエスケシュ氏自身がオルガンを演奏。
最初からリズミックで、終始鬼気迫る曲でした。オーケストラとオルガンが自然に混ざっていてすてきです。まるでオルガンにオーケストラで味付けをしているかのような曲でした。

演奏会の最後は、メシアンの「クロノクロミー」だったのですが、これがぜんぜんわからなかった…!重なっている音が多くて終始耳が忙しかった。
途中、6楽章で弦楽器がかなりたくさなんお声部に分かれる部分があるのですが、それが混沌の極みでした…。すこしでも見失うことができない、すごい緊張感でした…。

こんな感想しかないのが恥ずかしい…いま放送されたアーカイブを聴きながらこの文章を書いているのですが、二回目だとすこしとらえどころがわかるような気がしています…ああ……。

でも、楽しかったです。

ところで、メゾンドララジオには初めて行きました。フランス放送フィルを生で聴くのも初めてでした。ここのオーディトリウムの中はライブ配信のアーカイブ映像を見たりしていたのに、思っていたより小さなホールだな、と思いました。また来ます。

演奏会はRadioFranceで生中継されていて、アーカイブも残っています。
 https://www.francemusique.fr/emissions/le-concert-du-soir/festival-presences-2018-58223
podcast はこちら→