4月11日、パリ管弦楽団を聴きに

演奏会に行きました、っていうのをいちいち書いても何にもなんねーよ、って話でもあるし、でもかつて実習のときに鑑賞の評価の長さは感想の文章の長さに比例していたなということを時々思い出し、とにかく聴いて感じたことを文字に起こすことは大切だと思う固定観念から離れられないので今日も書きます。インプットのためにアウトプットは必要とか、そういうのなんでも思いつくけれど実際全てこじつけで意味なんてないような気がします。
むしゃくしゃしているときは文章が長くなるのですがいまはむしゃくしゃしているんだなと気づきました。今日も相変わらずただの日記みたいな感想文なので、期待しないでください。あらかじめ。


パリ管弦楽団、場所はいつもの フィルハーモニー・ド・パリで。

プログラムは以下。
リゲティ:アトモスフェール
ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第一幕への前奏曲
シューマン:チェロ協奏曲(ソリスト キアン・ソルタニ氏)
ベートーヴェン:交響曲第七番

指揮は、クリストフ・フォン・ドホナーニChristoph von Dohnányi氏。


冒頭からアトモスフェール、静寂と混沌を操っているみたいでかっこいいです。
予習のために(?)一度音源を聴いていったのですが、変化がとても繊細で、音源よりちゃんと演奏を生で聴くほうがおもしろいなと思いました。

ところどころ、オーケストラでこんな音が出るのかと、びっくりしました。
現代曲って打楽器が大活躍するイメージあるのですが、打楽器は特に特別なものを使っていないのに、聴いたことない音がたくさん聞こえます。すごい。
現代音楽を書く作曲家さんたちってみんな、もしかしてこういう聴いたことのない音を、もっと新しいものを求めて曲を書いているんじゃないかと思って勝手に納得してしまいました……なるほどな……。

あ、変わった打楽器ありましたね。ピアノ…。ピアノは打楽器。ピアノをブラシでこする、しかも二人係で…。


アトモスフェールから真を開けずに、ローエングリンの一幕への前奏曲を。まるで一つの曲かのように演奏していて、意外にもそれがとても馴染んでいて、とても素敵でした。
混沌の世界から秩序の世界へ、移り変わっていくような、そんな美しさがありました。
悪から良の変化というわけではなく、ただふたつの現象の対比として、静かさでもって全てを受け止めているような。とてもきれいでした。素晴らしかった…

チェロ協奏曲、シューマンってどうしてこう、ぐっとくる、ぐっと感情を揺らしてくる曲を書くんでしょうか。すごいなあ。ソロも、もううっとりしました。よかったです。
アンコールは、ソルタニ氏自身が作曲した曲を演奏していたのですが、これもかっこよかったです。お客さん全員釘づけでした。
後半は、ベートーヴェン。
想い出補正でちょっとまがった見方しかできないまま聴いていたのですが、やっぱり、いい曲ですね…。(今回の演奏会の中で一番良く知っている曲なのに感想がこれしかないなさけなさ…)
今日もティンパニガン見席に座っていたのでティンパニばかり見ていたのですが、とてもかっこよかったです。ティンパニ奏者さんが休符から音符に変わるだけで一気に華やかになるふしぎ。

全体的に小さい音を大事に、小さい音のなかで繰り広げられる会話を大切にしているような、丁寧な演奏でした。よきでした。
指揮も丸見えな席だったので見てたけど、ドホナーニ氏がそういう、繊細なものを大切にするかたなのかなと。 おかげで、小さい音フェチ(?)なわたし、満足です。

楽しかったです。次回の演奏会も行くつもりなので、楽しみです。