4月7日イルドフランス国立管弦楽団"Sporting Club"を聴きに行きました。

というわけで、この日どちらに行くか、ギリギリまで悩んでいました。 結局後者に行くことにしました。 イルドフランス国立管弦楽団を聴きに、アルフォールヴィルのLe POCまで。
ちなみに悩んでいたもう一つの演奏会はコロンヌ管弦楽団で、ラフマニノフの交響的舞曲をやるプログラムでした。そちらも聴きたかったのですよ、とても…。


この日は、"Sporting Club"と題して、スポーツに関する曲を集めたプログラム。


山本哲也:In the circle
ドビュッシー:遊戯
オネゲル:交響的運動第2番「ラグビー」
クセナキス:レボンド B
アキホ:ピンポン協奏曲「リコシェ」

一曲目、山本哲也さんのIn the circleという曲は、イルドフランス国立管弦楽団主催のコンクールでの受賞曲とのこと。コンクールの課題とされたテーマは「近代オリンピック」で、この曲もまたそのテーマに沿って書かれたもの。
しかし、特定のスポーツについて書かれた曲ではなく、そのためスポーツから連想するリズミカルな表現がほぼない…。遊びごころと静かなうつくしさがちりばめられた曲でした。

二曲目以降は、2人のコメディアンがおもしろおかしく、音楽とリズムの紹介をしていきます。
こういうの、自分の語力が弱くて全然理解できないのが悔しいのですが、説明をしながら観客をくすっと笑わせるの、すごいですよね。

三曲目のオネゲル、初めて聴きました。進行感があふれる曲。二曲目のドビュッシーの持つリズム感とは打って変わって、より明るく、華やかでかっこよかったです。



休憩中に、卓球台の登場です…。すごい見た目。
ピンポン協奏曲、これが聴いてみたかったのです。見た目の面白さに対して、曲調がとてもシリアスでした。緊張感がすごいです。でも、このギャップがまたシュールで面白くて…!笑いをこらえるのに必死でした。

ポンジスト(ピンポン選手)のお二方、リレーをするテンポ、バウンドする時間の間隔を、打つ強さだけでなく立ち位置でも調節するとか、すごいです。オーケストラとピンポンのリズムが完全に一致することはないけれど、テンポをお互いに近づけて、意図せずかポリリズムのようになったり。
リレーが繋げなくても、真を開けずにすぐ再開するのもすごいし、さすがです。落ちたピンポン玉がバウンドしている音にも、焦点が当てられたり。(おそらく、バウンドを聴かせる指示のないところで流れた球を、拾う担当の方がすかさず拾っていました。ファインプレーでした)

しかも、指揮者から指示はあるものの、ポンジストのお二方は暗譜ですよ…!すごい…!

こどもが沢山だったのですが、もう曲中でも構わず舞台に上がってピンポンを拾って大喜びです。(拾われたピンポン玉はピンポン玉を拾う係りの人に後で回収されました)
大人もスタンディングオベーションしていたり。とても楽しかったです。

実は、イルドフランス国立管弦楽団はすごく前に一度、ご厚意でリハーサルを見学させていただいたことがありました。そのとき、演出が面白かったという記憶が強くて、ここで面白そうなことをやるなら絶対面白いはず…!と勝手に思っていました。この予想、外れではなかったようです。行ってよかったです。