読書メモ / 堀江貴文「多動力」を読みました


堀江貴文さんの「多動力」を読みました。

多動力とは、一極集中ではなく、あちらもこちらも好奇心を持って手を付けていく力のこと。そういう人がこれからは生かされるとのこと。そうやって、あれこれ手を付けていることが強みだと。
堀江さんの本を読むのは初めてだったのでなかなか衝撃的でした。

この本も、私が気に留まったところを引用しながら思ったことなどを。


バランス教育


僕が思うに、日本の「バランス教育」は子どもの集中力と好奇心をそらすようにできている。よく大人になってから「好きなことが見つからない」「やりたいことが見当たらない」という人を見かけるが、ここに原因がある。子どもが一つのことに異様なほどハマると、周りの大人はドン引きして「お前大丈夫か」と揺り戻そうとする。せっかくサルのように集中しようとしている子どもの方に手をかけ、バランスが取れたつまらない人間に矯正しようとする。これでは、好奇心と集中力が育たない。


バランス教育と聞くとなんだか耳触りがよいけど、そうじゃない。バランスが取れたつまらない人間。
堀江さんはノーベル賞を取るような研究者たちとも対談をしてきたそうですが、みんなバランスを欠いた人間だったとのこと。

しかしたしかに、集中力って小さい子ならなおさら、楽しいことしか集中できないのですよね。楽しいことだったら授業中でもずっと取り組めるのに、とは思う。
今の学校は先生ひとりひとりの負担がとても大きくて、ひとりひとりに対応できない結果、バランス教育になってしまうとおもうのだけど。
そういう積み重なっている問題がなんとか改善されて取り組めることに夢中で取り組める学校になるとみんな生きやすいのにね。

人の時間を奪う


新幹線に乗っているときや道を歩いているときに、突然何の前触れもなく話しかけられるのも迷惑だ。僕はそういうとき、不快感を露わにする。「失礼なヤツだ」と思われても、知ったことではない。「堀江さんの本を読んですごく感動しました!ありがとうございます!」と言われても、「だから何?」としか言いようがない。そんなことは感想文としてアマゾンのレビューやツイッタ―にでも書いてくれれば済む話だし、わざわざ人の足を止めて伝えるべきことではない。自己満足の報告のために、「僕の時間」を奪わないでほしい。


これは、なかなか衝撃でした。
この文章で堀江さんは客商売ではないということを思い知る。冷たい人だなあ、という印象もある。
でも、自分に置き換えて考えると、単純にうれしいこともあるし、単純に知らない人が突然声かけられるときは、本当にびっくりするし、こわいなあ…と思う部分も、たしかにけっこうある。
移動している時間すら、他人の気持ちになって考えてみればわかるだろうということなのかな。突然感想を言うことは、自己満足の報告だと。

なんだかさみしいことのような気もするし、これはこれで一理あるので、こういう考えを持っておかなければならないとも思って。


教養と知識


教養とは、表面的な知識やノウハウとは違い、時代が変化しても変わらない本質的なことを言う。僕は疑問に思うことは、とことんまで掘り下げる。2006年、いわゆるライブドア事件で東京地検特捜部に逮捕された。マスコミが世論を煽り、明らかに僕をターゲットとして検察が動いた。そこに不可解で理不尽なものを感じた僕は、検察という組織を、その歴史から海外事例に至るまでとことん調べ上げた。それこそがまさに教養を得るということだ。


教養は、歴史など過去から学ぶこと。教養は歴史を学ぶところから、その歴史を学べば理解が深まる。
逆に知識、自分の専門外の知らない知識は。知らなくても恥ずかしくないし、それに出会った時に分かる人に聞くか、その場で調べれば済む、とのこと。
しっかり歴史から学べば、簡単な定義しかわからない状態から抜け出して、深く理解することにつがなるのでしょう。なるほど。


ストレス対策



(獄中のストレスの殆どは人間関係で、喧嘩を売ってくるやつがたくさんいる、という流れの中で。)



最初はそんな環境に戸惑いもしたが、次第に、突っかかってくる者がいたとしても、華麗にスルーするすればいいのだと悟った。劣悪な人間関係を乗り越えるには「スルー力」が欠かせない。もっとも、刑務所の外であれば、言い合いになっても懲罰を食らうことはないから、我慢せず本人の目の前で思ったこと、不満なことをそのままぶつけて、その場で発散してしまう。そして、おいしいお酒を飲んだりカラオケをやって、グッスリ寝る。これだけでたいがいのストレスはぶっ飛び、翌日には忘れているものだ。


ストレスのほとんどは人間関係の中で発生する。
言いたいことははっきり言う、他人には過度の期待をしすぎないので、裏切られても気にしない。健康のために食べたいものを我慢するより、食べたいものを食べて自分に無理をさせない。などなど。
たしかに、言わずに我慢して、関係のない人に八つ当たりすることにもつながるかもしれないからね。言いたいことを言うことで、こらえずすっきりして次の日には忘れる。
過酷なスケジュールの中でも、自分の感情を押し殺したりしない、無理をさせないことが堀江さんのストレス対策なのですね。なるほど。

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ほかにもたくさん参考になるところがあった。
堀江さんはやることがたくさんあるので、ひとつひとつの行動や言葉にとことん無駄を省いている。
質問や会議も、惰性や感情に振り回されず、何をききたいのか、どこを論点としているのかはっきりさせる、などなど…。
 
返信へのポリシーも即返信とのことで、実際に毎日忙しく動き回っている人へ送ったメールは返事がはやい!
(というわたし自身は返事が遅いほうなので、無駄を省いてすっきり返事が出来るように見習おうともいます…)

kindleでほぼ同時に買ったphaさんの「持たない幸福論」(の紹介の記事はこれ)の、ゆったりとした口調とのギャップにひっくりかえりそうでしたが、
しかしながら、どちらも自分のやり方を貫いていくところなどなにか通じるところを感じます。

なんだか飲まれてしまいそうですが自分のテンポを保ちながらまた本を読んでいきます。ではでは。