アンテナを張って、新しいものに挑戦する。堀江貴文著「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」を読みました

堀江貴文さんの「なんでお店が儲からないのかを僕が解決する」を読みました。

多動力を以前読んだので、同じことの繰り返しだと思う部分が殆どです。ですが、この本は、堀江さんが良い食体験を求めているからこそ、美味しいものが好きだからこそ、お店をどんどん良くあってほしいという願いや想いが込められています。なので、おもしろいです。

飲食店についての話ですか、他の仕事でも自分の立場に置き換えて考えられる部分も多い、ような気がします。



食べ歩きで学ぶ

経験を得て、なにか閃いたら、次は作ってみる 。その技術は、コツコツ修業してきた腕の見せどころじゃないか。材料や技術の面でわからないことが出てきても、インタ ーネットで検索すれば解決策やヒントが見つかるはずだ。クックパッド、 YouTubeはもちろんのこと、 FacebookやTwitterの投稿がきっとヒントをくれる(やはり、そこで無料ですぐに得られる情報のために10年以上皿を洗うのはどう考えてもバカバカしい)。

お客さんにまた来たいと思ってもらうためには、同じ味を守るお店より、個性的なメニューや、新しいメニューが食べられるお店であるほうがいい。
そういったものをを作るには、自分で食べ歩いて、そこから閃きを得ればいい、とのこと。そして、閃いたものを自分の店のメニューにするために、培った技術がある。わからないことは、調べればいい。

寿司屋の修行不要論を唱える堀江さんらしい主張です。創意工夫するためには自分から積極的に学んでいく必要があるし、変なプライドも捨てなければいけない。

しかし、こういうことができない時代には、長い年月を掛けた修行が必要とされたのでしょう。それができる時代だからこそ。アンテナを張ってインプットして、アウトプットするというやり方も、ありなんですね。


「高くても買ってもらえるもの」を考える

「安い値段で料理を出して、お客さんによろこんでもらいたい」と言うけれど、誰かが犠牲になってまで安い料理を出すのは不健全じゃないか?そうでなくても「安さで勝負」はどこかに必ずしわ寄せが来る考え方で、とてもリスキーだ。(中略)高くても買ってもらえる、食べてもらえるものを考えるのが先決だろう。(No.282~)
低賃金、長時間で働きたい人なんていない。だったら給料を上げるべきだけど、給料をあるお金がないならば、料理の値段を上げるしかない。みんなが幸せになる価格設定をして、その値段でも買ってもらえるものをつくる。

マニュアル化する

規模はどうであれ 、 「職人がいないとなにもできない 」状況は 、コスト的にも時間的にも無駄が多い。(No.512)
新しいことを発案する人は、お店の中に必要。でも、大人数で店を切り盛りするならば、スタッフの誰でもそれができるように、マニュアルを作って共有する。

誰かひとりしかできない仕事があると、その人がパンクしてしまうし、回らない。

やりかたやノウハウは共有することが大切だというのは、とても共感します。
せっかく身に着けたことをばらまくことに抵抗はあるかもしれない。でも、自分だけの専売特許にしなくてもよくて、それがお店をよくしたりする。画期的なことなら、業界全体とか広い範囲をよくしていくことにつながる、かもしれない。


想像してみよう

お客さんのマナーの悪さで、お店が悩まされていること。三大問題として挙げられているのは、「人材不足」「ドタキャン」「食べログ」と、三つ中二つがお客さんに関係すること。
食べログは匿名だから言いたい放題書ける。でも、じきに評価も双方向になるだろうし、店側に評価される日も遠くない。ドタキャンする人をブラックリストに載せたりとかもできる。

客側の心無い行動で迷惑をかけることがあるなら、 ちょっと想像力を働かせて、迷惑になりそうなことを回避することもだいじ。
三大問題もそうだし、「予約が多い19時に面倒な問い合わせをするのはどうだろう?」「自分たちが会計すればレジを閉められるな」とか、それくらいの想像でいいからちょっとだけ考えればいい。ごく普通のコミュニケーションだ。(No.602)

感想とか

私は飲食店で働いた経験が少ないので、堀江さんの提案が的を得ているのかどうかははわかりません。でも、アンテナを張って前に進もうという考え方は私も持っていたい。 お客さんとしても、いいお客さんでありたい。良き本でした。