やみくもに悲観するのではなく、努力を続ける。工夫をする。はあちゅう著「半径5メートルの野望」を読みました

はあちゅうさん、Twitterをフォローしてみたり、読み放題でもちょっと読んだりしていたので、気になっていた人です。たまたまkindle版がセールになってたので、さっと買って読みました。


こうやって、誰かの考えを事細かに書いてある本は、面白いです。考え方をすこし、覗き見しているみたいで。

はあちゅうさんが野望をかなえるために、得たこと、くじけたときに立ち直る工夫などが書かれています。
はあちゅうさんがこの本を絶賛している人のツイートをたくさんReTweetしているけれど、絶賛する人が多いのも納得です。いろいろなことが書いてあるけれど、特に心に留まった部分を。

感情は着火剤

行動を分解すると、「感情」と「作業」の二つから成り立っています。「これをやろう」という一握りの前向きな感情と、特に才能のいらない単純な作業が、「行動」の正体です。(No.454)
だから、着火剤になる「感情」だけ長持ちさせることができれば、行動力のある自分に生まれ変わるのは簡単です。そして、その感情をコントロールできる自分になりましょう。(No.458)
自分の感情で行動をさせる。だから、「勇気」「やる気」みたいな直接的なものでなくてもいい。「これいいなあ」「あれいいなあ」という気持ちで、自分に火をくべて、行動にする。そして、何かするのに必要な行動は、案外単純なものばかりだということ。


行きたい場所があったら行けばいいし、
欲しいものがあれば買ったり、作ったりすればいいし、
知りたいことは調べればいいし、
悩んだら相談すればいい。
それだけのこと。

やりたい!と思った感情と、行動をつなぎ合わせてあげればよい。

期待値が高いのに、努力しない。

結局、私は、たまに思いついたように行動して、夢に向かって頑張っている気分になっているだけの、自己満足屋だったのです。人生を絶対に変えてやるという気概もなく、血のにじむような努力もしていなければ、人と違う道を行く勇気もない。そのくせ、たまに頑張ったことの見返りがないだけで、悲劇のヒロインぶっていました。「そうだよね、夢ってなかなか叶わないよね」と自分を甘やかしてさえいれば、努力しない自分からは、目をそらしていられます。 「待っていれば、いつか何かドラマチックなことが私の人生に起こるはず」「誰かが私を引っ張り上げてくれるはず」と奇跡を願う一方で、「奇跡は、叶わないから奇跡っていうんだろうな」という冷静なツッコミを、自分で自分に入れたりもして、憐れむ能力だけはどんどん上がっていきます。もともと、それに見合う努力もしていないくせに、自分の人生への期待値が高すぎるのです。トップレベルの活躍をしている人や成功者と自分の状況を比べて「ダメだ、ダメだ」とぼやいてばかり。(No.1239)

耳が痛い…。
頑張っている気分になる、見返りがなくて悲劇のヒロインぶる、努力しない自分から目をそらす…。 夢がかなわないことに、悲観的な自分に、浸ってしまうことがある。だけど、ちゃんと努力してみなよ、という。

こういうのを見てほっとする(?)のは、いま元気に活躍している人が、立ち止まっていた時期もあった、というところです。成功している人のあらましを知ろうとすると、最初から完璧な人間だったと思いがち。よい部分しか見られなくて、自己嫌悪になります。

はあちゅうさん、文章を読んできた限り、すごくしっかりしている人、行動力のある人、という印象だった。なので、悲劇のヒロインぶっていた、なんて印象はあまりなかった。

それから、正しい努力とはなんなのかということも考えさせられます。努力している気になっていませんか?わたしはなっていました。


努力か才能か

 「天才じゃないから」と諦めるのは簡単だけれど、天才じゃない自分を天才に見せるためには、努力の量でカバーするしかない。「天才じゃない」という理由だけで夢を諦めたくないのです。だからたまに「文章の才能があっていいね」と言われると、努力が実っているようで、嬉しく思います。(No.1357)
才能じゃなくて努力なのに、才能だって言われて嫌な気持ちになることが、わたしはあります。(わたしの場合、逆のことを言われて嫌な気持ちになることもあるので、我ながら厄介だと思います。)

でも前向きにとらえることもできるんだ、なるほどなと。 才能だと思われることが、努力が実りはじめたひとつの目安なのかもしれません。


怖くないよ!

あふれかえる「自分よりすごい人」の情報に怖気づくあまり、満足しているフリをして、一歩を踏み出すことから逃げている人は少なくないように思います。(No.24)
この本の冒頭の文章ですが、これがいちばん、ぐさっときました。
自分よりすごい人がたくさんいることは、事実なのです。だからといって、何もしないという選択を取る必要はない。

ふと思ったのは、自分で情報を受け取って怖気づいているだけで、自分の行動に変えれば案外違うものなのです。
わたしだって今もコンプレックスを沢山持っている。すごい人じゃなければ、黙っていなければいけない、なんて思っていた。でも、自分の考えをオープンな場所に書くという、ちょっとした行動を起こしてしてみたら、思っていたよりは怖くなかった。

まだ怖いことはあるけれど、わたしも少しずつ歩みを進めていきたい。


良き本でした。 また読み返したいです。